なぜ?無償でいじめの証拠を集めるのか?PART1

私はよく、なぜ無償で調査をするのですか?という質問を受ける。

いじめの調査は、確かに保護者からの相談が多い。
塾の費用や教育費などを考えれば、十分費用も取れるだろう。

実際に、探偵社がいじめの調査を行う場合の平均相場は120万円だ。
この数字は、ある公益財団の担当者と調べた数字である。
もともと本職探偵の私は業界の相場には詳しい。そこから考えても、当然の
相場だろう。

それをすべて無償にしてしまう。

業界人から言えば、狂気の沙汰だ。
実際に、”もっとも実績があり””講演会の依頼が多数殺到するほどの””調査の専門家が”
”事業の主軸ともなろうカテゴリーを””無償化してしまう”というのは、ビジネスを無視
した気が狂ったのではないか!と心配されたほどであった。

どこかの結構有名なコンサルタントからも、ビジネスを無視した経営者としては失格である
と断罪されている。

それでも、私はこのいじめ調査を無償化している。

なぜか?

それは、子どもから相談が来るからだ。
子どもと言っても、小中高と年齢差はある。

探偵に相談するところまで追い詰められているところから、ほぼ全て、いじめの被害としては
末期症状であるケースだ。

”それを、お金がかかるよ。契約には親の承諾が必要だよ。”

と、あしらうことは、私にはできない。

保護者の中には、貧困層と言われる人たちもいる。

”お金がないなら助けません。”

そう言えるであろうか?

いじめ問題は、社会問題であり、社会全体として取り組むべき問題である。
特に、自ら命を絶ってしまうほどの被害もある。
この調査は、探偵が社会に貢献することが大きくできる社会的な意義が大きいとも
言えるであろう。

あの断罪したコンサルタントは、もはや古い考えなのだろう。

企業というのは、過去の経済成長期にバンバン物が売れた時代とは大きく違う位置にある。
企業は、その存在が社会的に意義があるか否かに大きな価値が置かれている。

時価総額では測ることができない、企業の社会的存在意義である。

企業は、営利だからとはいえ、その技術やサービスが、社会に資するのか否か
がその存在と価値を決める大きなファクターとなるのだ。

だから、T.I.U.には就職希望もあれば、インターンの大学生もやってくる。
ボランティアとして手伝いたいとの申し出もあるのだ。

ファンとして応援してくれる方々もいるし、元クライアントが依頼を紹介してくれる
ことも多くある。クチコミしない探偵業と言われて久しいが、弊社はクチコミして
依頼が回っている。
これは、いわゆる企業の理念があるからなのではないだろうか?

目先の利益だけを追いかけて、いつの間にかに無くなった企業がいかに多いか
コンサルタントであればきっと知っているだろう。

物事は長期的視野がなければならない。

いじめ調査においては、そのノウハウ、交渉の肝、証拠の基準など、業界のみならず
およそ圧倒的多数の事例を保有することになった。
現在、この事例を利用し、効果的な予防プログラムや構造の研究などが、共同プロジェクトや
単独のプロジェクトとして稼働している。

企業がその特異な技術で社会に貢献する。
それこそが、新しい経営といえよう。

同業の探偵さんたちには、そろそろ目を覚ましてほしい。
自分たちの技術が、使い方によって一人の子どもの命を救うことにもなるのだ。
それほど、価値のあることはない。
物事は、長中期的視野を持たねばならないのである。

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