SNSを使ったいじめ(Twitter編)

ネットを使ったいじめは利用者のモラルが問題か?

特にSNSを使ったいじめは、その数がかなり多くなってきているであろう。これを、「ネットを利用した」「携帯を利用した」というように前提条件を変えると、20年ほど前から「チェーンメール」や「メールによるいじめ」が一定数あったという事実が浮かび上がってくる。

気軽な端末が手に入るようになり、当初は防犯上の理由から携帯は有効的な手段としての側面も持っていたが、その一方で、ネット上にある詐欺や脅迫などトラブルに巻き込まれるといった事件も増加した。

そうした中で重要性を帯びてきたのが、「ネットリテラシー教育」である。そもそも、日本では、このような教育は例えば20年前、15年前には行われてきていない。つまりは、現代の保護者世代は、ネットリテラシーの教育は受けていないと言える。

つまり、家庭教育において、親が教育を受けていない以上、その子が、確実に実践できるかは極めて難があるともいえる問題であり、現代学校教育では、このリテラシー教育が取り入れられてきたという経緯がある。

ネットに詳しい者、専門家にとっては、教育が悪いと言いたくなる気持ちはわかるが、そもそもそれに疎い世界であれば、突然現れた難解な問題であるという認識であろう。一方、ゲームや動画などでは、年齢に利用制限を課したり、一定の基準を設けている。つまり、一般的に広く様々な年代が活用できるスマホアプリやSNSと言ったものであっても、年齢による一定の制限は、必要であろう。実際、幾つかのアプリやSNSでは、利用制限が確かにかかっている。

ただ、確かに、制限があるにしても、利用の方法は利用者、つまりユーザー側の責任の範疇であることは否めない。どのように注意喚起がなされても、事件報道があっても、次々と問題が起きているのは、確かにユーザー側の責任であると考えられる。

Twitterを使ったいじめ

ツイッターは、特に中学生、高校生での利用者が多い傾向がある。アプリトレンドによって、今後、どうなるかは別の問題であるが、多くの高校生は「鍵付きアカウント」「公開アカウント」「裏アカウント」という3つの以上のアカウントを持っているケースが多い。

匿名でアカウントが複数持てる問題

ネット文化において、匿名性は一定の価値がある。ところが、各国文化圏により、考え方が大きく違う点がある。日本の常識は世界の非常識であるということが、浮き彫りになる事件もあるのだ。特にTwitter社はアメリカに本社がある。アメリカでは、個人の中傷が行われた場合によっても、「事故責任」「自己解決」「ディベート」などの考え方が強く、中傷より多くの称賛やメリットなどで埋めてしまえばいいという考え方がある。一方、多くのユーザーが、「あの人は、そういう意見なのね、私は違うけど。」という他意見について、区別して考える文化が根付いている。ところが、日本では、中傷に賛成か否かという価値観が先行する傾向があり、ネガティブな意見がもたらされると、途端に炎上してしまうような事件が起きていたりする。よって、匿名性であることをいいことに、様々な誹謗中傷や個人情報の暴露が行われるなど、アメリカ的利用とは異なる価値観のユーザーが多いと言える。アカウントを使い分けることは、攻撃に転じれば、多大な被害を及ぼすが、いわゆるアバターを複数持つことで、最悪の事態をアバターを消す作るを繰り返すことによって、自己防衛にも役立つという点がある。

なりすましされたという事例

突然、友人らが口をきいてくれなくなり、何があったのか聞き出したところ、本人になりすましたツイッターが存在し、そのなりすましが、特定人物の誹謗中傷をするなどしたという事実が浮かび上がった事例がある。

このケースでは、成りすましの事実を証明することによって、友人らとの衝突の回避をすることができたが、その一方で、Twitterはこの成りすましを削除対象にしたのみの対応であった。仮に、本人開示請求を行ったとしても、成りすまし犯人のIPアドレス程度であり、これをブロバイダーや携帯キャリアなどに契約者を開示してもらう必要がある。

驚くべきは、成りすましの効果

上記のように、成りすましをされてしまった場合、本人が書いたものに違いないはずだという誤解が生じることで、多くがリアルなコミュニケーションでのいじめにつながるのである。

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